犬の急性膵炎
高齢犬が1週間前から続く嘔吐・下痢症状のため紹介来院しました。
血液検査で炎症所見があり、膵特異的リパーゼが高値となっていました。また腹部エコーで膵臓周囲で炎症が起きていたため膵炎と診断しました。
膵炎の診断には絶対的なものはなく、症状、血液検査、画像所見などを総合的に見て判断します。
治療は特効薬がなく対症治療になりますが、重症度によって入院が必要なものから通院で済むものまで様々です。重症化すると致死的な経過を辿ることもあるため注意が必要です。
最近ではブレンダZというタンパク分解酵素阻害薬が認可されましたが、死亡率の改善や入院期間の短縮などの効果はまだ明らかではありません。当院では重症化している場合には使用することもあります。