膝蓋骨内方脱臼(MPL) リハビリテーション#1
マルチーズ2歳2kgの右膝蓋骨内方脱臼MPL術に対して、術後2週目からリハビリを開始しました。
なお、術後から2週間目まではケージレストで安静にしていただき、触診で脱臼がないことを確認してからリハビリを行います。
術後2週目 陸上トレーニング『キャバレッティ跨ぎ』
跛行することなく片方ずつしっかりと跨ぐことができますが、患肢の負重が少し弱い印象です。
術後2週目 水中トレーニング『トレッドミル』
負重が弱いため、水位を上げることで患肢への負担を軽減して行いました。今回も同様に、水中トレッドミルのリハビリはその子に合わせた水位やスピード、傾斜を適切に調整して実施します。また、2週目以降からご自宅では行動範囲をケージレストから室内へと少しずつ広げていき、筋力増加を目指していきます。
術後5週目 陸上トレーニング『8の字歩行』
術後5週目のリハビリは水中トレッドミルに加えて「8の字歩行」を追加しました。8の字歩行はコーンを使用して細かく方向転換することにより、患肢に適切な負荷をかけることができるので、バランス感覚の改善回復が期待できます。
術後5週目 水中トレーニング『トレッドミル』
歩行を続けても跛行することはありませんでした。そのため、5週以降は散歩を少しづつ増やしていき筋力増加を目指します。
術後8週目 水中トレーニング『トレッドミル』
歩行に安定感が出てきており、傾斜とスピードを大きく上げても問題なく歩くことが出来ました。
術後8週目 陸上トレーニング『バランスボール』
さらに、バランスボールを追加したリハビリで、筋力強化に加えてバランス感覚の改善も同時に行っていきます。
術後11週目 陸上トレーニング『キャバレッティ』
リハビリ最後の術後11週目では、筋力増加に伴い歩行に安定感が出たことによってスムーズに跨ぐことができようになり、通常の生活が送れるまで回復してくれました。触診で脱臼することもありません。
また、今後の生活環境では、部屋にカーペットを敷く事で滑らないようにして頂き、肢に負荷がかからないような工夫が必要となります。
初めてのリハビリにも怖がらず楽しそうにやってくれました。