ダクタリ会

症例

Micro-TPO

関節形成不全はあらゆる犬種に起こります。股関節に弛みのある小型犬の診察依頼がありました。全身麻酔下で各関節の評価を行うと、症状のある右股関節にオルトラニサインが認められました。臼蓋形成不全は顕著ではありませんが軟部組織の損傷に伴う有痛症状と股関節脱臼を起こしやすくなっていると判断しました。

◯ 脱臼した際に救済的処置として
・大腿骨頭頸部切除関節形成術(FHNE)を行う。
・骨関節症が生じていなければトグルピンによる大腿骨頭靭帯再建術を行う。
・股関節全置換術を行う。

◯ 脱臼する前に予防的処置として
・三点骨盤骨切り術(Micro-TPO)を行う。

この患者さんは予防的にTPOで対応することになりました。CTデータから得られた患者さんの骨格情報を3Dプリンターで出力し、模擬手術を行いました。トイ犬種向けの既存品は存在していないため、チタン製ロッキングプレートを患者さんのサイズに合わせ理想的な角度にツイスティングしてTPOプレートを作成します。この骨盤矯正術により大腿骨頭の被覆面積が改善するため股関節脱臼を予防することが可能となります。

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