ダクタリ会

症例

フレンチブルドッグの椎間板脊椎炎

レンチブルドッグには椎体の奇形が頻発します。ほとんどの個体にこの様な奇形が存在していると言っても過言では無いでしょう。しかしながら、症状とリンクするかについては正確な事は未だ分かっていません。先日、1歳のフレンチブルさんが後肢が麻痺をして歩けない。との事で精査のため来院されました。CT検査では胸椎に多数の椎体奇形を認め、T9-10およびT10-11椎間では椎間レベル左側領域の各椎体終板に不整な骨吸収像を認めました。

MRI検査では髄膜に沿って明瞭な造影増強効果を認め、同領域の脊髄実質はT2強調画像でび漫性に高信号を呈していました。また、椎間板ヘルニアを示唆する所見は確認できませんでした。このことから、椎間板終板の感染を疑い、血液培養、尿培養を実施したところブドウ球菌の感染が確認されました。治療には感受性検査に基づいた長期の抗生物質の投与が必要です。

今回の患者さんは椎体奇形の領域に脊椎炎が併発し、椎間板ヘルニアに類似した症状を発現しました。フレンチブルドッグだからといって、いつも”椎間板ヘルニア”とは限りません。
また、いつもの事と思えば災いの元。そのような教訓を示してくれた患者さんです。

 

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