椎間板ヘルニア ハンセンtypeⅡ










10歳のパグさんが後肢の不全麻痺を主訴として紹介来院されました。神経学的評価では両後肢に不全麻痺を認める。なんとか自立歩行可能。浅・深部痛覚は保たれている。局在診断としては、T3〜L3脊髄セグメントの病変を示唆。
画像診断:全身麻酔下でCTおよびMRI検査を実施。T12〜T13間において、顕著な椎間板物質の突出を認め、脊髄を背側より圧迫。所見より、ハンセンⅡ型椎間板ヘルニアと診断。
治療と手術:保存療法では十分な改善が見込めないと判断し、外科的除圧術を実施。
手術:
– T12の副突起(accessory process)の切除
– T13椎体の右側部分的椎体切除(partial corpectomy)
– 突出した椎間板物質の摘出と脊髄の除圧
術後経過
手術直後より軽度の改善傾向を認める。安静管理のもと、早期のリハビリテーション介入を予定。椎間板物質の除去および圧迫の解除により、数週間以内に神経機能のさらなる回復が期待される。