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症例

猫の拘束型心筋症

猫の心臓病で多いのが肥大型心筋症、拘束型心筋症です。
肥大型心筋症は比較的診断基準が明確になっている(心臓の筋肉が分厚くなる)のに対し、拘束型心筋症は様々なパターンがあるためエコー検査に精通していないと診断がつかないことがあります。特に心雑音も明確に出にくいため、無症状期で見つかるケースは少ないと感じています。

この17歳の猫さんは貧血を理由に紹介されましたが、主訴とは別にエコー検査で拘束型心筋症による心不全が見つかりました。
左心室内に壁同士を架橋する構造物があるため、心臓が広がろうとしてもうまく広がれないのです。心臓の拡張障害が起こるため、行き場のない血液は肺や腹部に逃げることで肺水腫・胸水・腹水などとして現れます。

残念ながら猫の心筋症の予後は良いとは言えず、心不全を発症後に血栓症・肺水腫などで短期間で亡くなってしまうケースも多いです。
定期検診で心臓のエコー検査を行うことで早期発見ができますのでかかりつけの獣医師に相談してください。

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