ダクタリ会

症例

猫の脛骨骨折〜シャイな子を救う、やさしい手術〜

内で若い猫さんが遊んでいた所、突然のアクシデント。ご自宅の家具の隙間に後ろ足を挟んでしまいました。すぐに歩き出したようにも見えたのですが、次第に足をつかなくなり、動物病院を受診。検査の結果、すねの骨(脛骨)の真ん中に亀裂が入って骨折が判明しました。

【とても繊細な性格】

この猫ちゃんは、とてもシャイで繊細な性格。知らない場所や入院生活が大きなストレスになってしまうタイプの子でした。主治医の先生は、できるだけ猫ちゃんの負担が少ない方法をと考え、最初は「ギプス固定」を選択してくださいました。しかし、猫ちゃんはギプスをとても嫌がり、なんとか外そうと必死にもがいてしまった結果、骨折が悪化してしまったのです。

【傷を小さく、でもしっかり治す】

このままでは回復が難しい。そこで私たちの病院にご相談がありました。検討の末、選んだのは「MIPO(最小侵襲プレート骨接合術)」という、できるだけ体にやさしく骨を治す手術方法です。

【手術のポイント】

・傷口は上下中央でそれぞれ約2cmほどで、とても小さく、筋肉もほとんど切らずにすみます 
・手術中には外科用イメージというX線装置を使い、折れた骨の中に細いピン(髄内ロッド)を通し、外側からチタン製のプレートとネジでしっかり固定します 
・今回使用したのは、2.4mmのチタンロッキングプレートとロッキングスクリュー6本、2.0mmの髄内ロッド

この方法により、手術時間も短く、出血もほとんどなく済みました。

【驚きの回復スピード】

術前・術中・術後はしっかりと痛みを管理し、猫ちゃんは手術の18時間後には退院できました。もちろんご自宅でも鎮痛剤をしっかりと使用しています。

【我々の大切にしていること】

骨折を治すことだけが私たちの仕事ではありません。
その子の性格や暮らし方に合った「やさしい治療」を選ぶこと。それが、動物たちにとって一番大切だと、私たちは考えています。今回の猫ちゃんのように、繊細な子でも、しっかり治療して笑顔でお家に帰ってもらえる。そのお手伝いができたことを、私たちも本当に嬉しく思っています。

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