症例

脊髄梗塞

3歳のラブラドール・レトリーバーが散歩中に急性の両後肢麻痺を発症し、紹介来院されました。来院時は両後肢共に立ち上がることができず、痛覚も鈍く排泄も自力ではできない状況でした。
胸腰髄のMRI検査を実施した結果、  第13胸椎(T13)-第1腰椎(L1)領域の脊髄でT2強調画像で高信号(白色)の病変を確認しました。脊髄断面では楔状に病変部位が描出されており、椎間板の明らかな逸脱も認められないことから、脊髄梗塞と診断しました。
脊髄梗塞は脊髄の血管障害性疾患であり、急性に肢の麻痺が出ます。多くは片側性ですが、病変部位・領域により両側に症状が出る場合もあります。
特に若齢〜中齢のミニチュア・シュナウザー、シェットランド・シープドッグ、ラブラドール・レトリーバー、ミニチュア・ダックスフンドが多いと言われています。
症状の程度にもよりますが、多くの場合はリハビリテーション(理学療法)で改善傾向が見られるようになります。リハビリが最も効果的な治療法であり、起立や歩行の回復に合わせた早期からのリハビリの介入が必要とされます。しかしながら、初期症状が重度であれば後遺症(麻痺、排泄困難などの症状)が残ってしまう恐れもあります。

現在リハビリ治療中ですが、発症後5日以降から後肢の随意運動が見られるようになり、20日経過した時点では短時間ではありますが自力歩行ができるような状況に改善しています。今後も積極的なリハビリを継続していく予定です。
主治医先生の早期の紹介により、迅速に適切な検査・診断・治療を実施できたことも早期の機能回復につながるかと思います。

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