ダクタリ会

症例

頭部外傷に伴う緊急開頭脳減圧術

22kgのわんこがドッグランでアクシデントにより頭部を強打し、その直後、虚脱状態となり、かかりつけ医を受診しました。主治医の判断で集中治療が必要と判断され、当センターへ転院となりました。意識レベルは昏睡状態であり、頭部の無麻酔CTでは頭蓋骨に亀裂骨折が確認されました。この時点でCTでは明確な脳の血腫などは確認されず、内科的な脳減圧処置が行われました。しかし、意識レベルは一向に改善せず、クッシング現象と考えられる高血圧症が確認され始めました。全身麻酔下で脳のMRIを実施したとこと頭頂部から側頭葉にかけてT2高信号確認され、脳出血が考えられました。内科的な脳減圧処置は限界と判断し、頭頂テントアプローチ開頭術により脳減圧術を行いました。亀裂部位から頭蓋骨を切除すると硬膜外血腫が確認されました。また、硬膜を切開したところ、硬膜下血腫も確認されました。可能な限り、血腫は取り除き、出血部位の止血を行いました。手術中は最高で収縮期圧が220mmHgを示しました。硬膜は切除し、人工硬膜で大脳表面を覆い、再建しました。頭蓋骨はチタンメッシュで頭蓋形成術を行いました。その後、側頭筋を閉鎖し、再びICU管理となりました。翌日にかけて血圧は徐々に低下し、術48時間で正常となりました。術4日目で聴覚反応が確認され、5日目に少量の食事を興味を示すように意識レベルも改善しました。6日目に食欲が改善し、わずかに威嚇反射も確認され、退院となりました。今後は継続的にリハビリテーションが必要ですが、少しづつでも改善してくれることを願うばかりです。大変な手術でしたが、本当によく頑張ってくれました。

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