高齢猫に発生した肝臓腫瘍












19歳の高齢猫に対して、かかりつけの動物病院で腹部超音波で健康診断をしていたところ、肝臓に腫瘍が見つかり、肝葉切除が適応になるのか?とのご相談を受けました。年齢を考慮しつつも QOLの維持を目的に、CTによる慎重な評価のもと外科的切除を選択しました。腫瘍は外側左葉であり、TA30ステープラーを使用し、手術は問題なく終了し、術後経過も安定したので無事に退院となりました。切除した肝臓組織の病理検査では、胆管腺腫(cholangiocellular adenoma)と診断されました。これは胆管由来の良性腫瘍であり、今回の切除により予後は良好と判断されています。
高齢動物の外科治療について「19歳だから手術はできない」そう思われることも少なくありません。
しかし実際には、
✔ 全身状態
✔ 病変の性質
✔ 手術の侵襲度
✔ 術後の生活の質
などを総合的に評価することで、高齢であっても外科治療が有効な選択肢となるケースがあります。今回の症例も、「年齢」ではなく「今、この子にとって何が最善か」を軸に判断しました。高齢動物の医療は、治療を“する・しない”ではなく、“どう寄り添うか”。これからも一例一例に向き合い、その子とご家族にとって最も納得のいく医療を提供していきます。

