アキレス腱断裂に対する足根関節固定術








後肢のアキレス腱断裂は、犬にとって歩行不能につながる重度の整形外科疾患です。今回の中型犬のわんちゃんはアキレス腱断裂から踵骨(かかとの骨)〜浅趾屈筋腱に炎症と変性が慢性的に進行し、通常の腱修復では回復が見込めない患者さんでした。そのため、踵骨の変性部位の部分切除と、歩行機能の回復を目指した足根関節関節固定(tarsus-arthrodesis)および浅趾屈筋腱(SDFT)の切腱術を組み合わせた手術を実施しました。※2024年 にVCOTからアキレス腱断裂に続発したSDFTの拘縮例の報告があり、今回の手術の参考としました。Superficial Digital Flexor Tendon Contracture in a Dog with Gastrocnemius Tendon Avulsion VCOT Open 2024;7:e6–e10.
術前の状態:アキレス腱複合体の断裂と踵骨の骨髄炎、浅趾屈筋腱炎を認め、患肢への負重が困難でほぼ挙上を呈していました。通常の縫修復術では再断裂リスクが非常に高いため、救済的関節固定術が必要と判断しました。
今回の手術
足根関節関節固定術(tarsus-arthrodesis)
足根関節を適切な角度で固定し、関節面のバーリング、チタン製の2.7 ロッキングプレートをOrthoganal 方向で2枚用いて強固に固定し、早期の荷重を目指します。
浅趾屈筋腱切腱術(SDFT tenotomy)/踵骨部分切除術(calcaneal partial ostectomy)
変性・肥厚した踵骨の表面を整形し、今後、浅趾屈筋腱の拘縮に伴う、指端分のナックリングのリスクが予想されたため、浅趾屈筋腱の切腱術を併用しました。今後、数ヶ月をかけて骨癒合が進むことで、再び安定した歩行が可能になることが期待されます。

