ダクタリ会

症例

アナフィラキシーショック

公園で散歩し、帰宅後に虚脱・嘔吐が見られたとのことで飼い主さんから連絡がありました。来院時意識ははっきりしていたものの可視粘膜蒼白、血圧測定困難、頻脈、乳酸アシドーシス(循環不全)を認めました。超音波検査にて胆嚢・膵臓浮腫、心拍出量減少、追加血液検査にてALT(肝酵素)上昇、血液濃縮が確認されアナフィラキシーと判断してすぐに治療に移りました。静脈内輸液治療、アドレナリン、抗ヒスタミン剤などにより反応し、1時間後には循環状態は正常化しました。
アナフィラキシーショックは重篤なアレルギー反応であり、場合によっては致死的となります。
原因物質の特定は多くの場合困難であり、考えられるアレルゲンに気を付けること、もしショック症状が出たらすぐに病院を受診することが重要です。ヒトのアナフィラキシーで見られるような蕁麻疹などの皮膚症状は犬では見られないことが多いとされています。ですので繰り返し起こす場合はショックの症状(元気消失、嘔吐、粘膜蒼白または赤色[通常ピンク]など)を把握しておきましょう。

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