ダクタリ会

症例

レッグ・ペルテス病に対する股関節全置換術(Mini-THR)

長期の純血種の小型犬はレッグ・ペルテス病という遺伝性の整形外科疾患に罹患しやすい傾向があります。通常は股関節に強い痛みが生じ、太ももの筋肉が痩せてきたり足を挙上して使わなくなったりすることで発見されます。生後6ヵ月から1歳になるまでに見つかることが多いようです。好発犬種はトイ・プードル、ポメラニアン、チワワ、ヨークシャーテリア、マルチーズ、ミニチュアピンシャーなどによく見られます。通常、85%が片足ですが、15%の患者さんで両側罹患することもあります。治療法としては内科療法、骨頭の変形が少なければ自骨を温存する大腿骨頭回転骨切り術 (FHRO)が行われます。しかし、骨頭の変形や股関節が骨関節症へ進行している場合は大腿骨頭頸部切除術(FHNE)、もしくは人工骨頭置換術(PHR)、股関節全置換術(THR)が選択肢となります。ほとんどの場合何らかの外科手術が必要です。今回、病気が進行したレッグ・ペルテス病の患者さんに最も徐痛効果に優れた股関節全置換術(THR)で対応しました。今回採用したKyon社のTHRシステムはセメントレス方式でカップ、ヘッド、ネック、ステムの4つのパーツで構成されています。術後はリハビリテーションを必要とせず徐々に良好な機能回復が得られます。この患者さんは両側のレッグペルテス病ですが今回は有痛症状の強い左側から全置換術を行いました。ハイドロキシアパタイトコーティングのチタンのインプラントと骨のインテグレーションが起こるまでは安静が必要です。

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