ダクタリ会

症例

乾燥剤(生石灰:酸化カルシウム)の誤飲は危険です。

さんがお煎餅の乾燥剤を誤飲した後から激しく嘔吐しているとのことで深夜に救急で来院されました。乾燥剤の中身は生石灰(酸化カルシウム)であり、白色の粉末状です。この乾燥剤の毒作用には発熱およびアルカリによる粘膜腐食作用があります。
CaO+H20(水)→Ca(OH)2=発熱
万が一服用してしまった場合は消化管粘膜や組織の水分と反応して強く発熱します。全身麻酔の後、内視鏡で胃の粘膜を確認すると著しく発赤し、強い炎症が起こっていました。治療としては粘膜保護剤を頻回投与。消化管糜爛、潰瘍に対してはステロイド療法(プレドニゾロン 1~2mg/kgまたはデキサメサゾン0.1mg/kg/Day)を3週間投与します。幸い、猫さんは内科療法が功を奏し、中毒から回復する事が出来ました。尚、成人経口致死量は10gとされています。製品としては:キングドライ、スーパードライ、ハイドライ、ピッカー、ライムなどの名称で包装されています。人の子供や動物の口に入らないように注意をお願いいたします。一般的なシリカゲルとは全く異なり、非常に危険です。

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