ダクタリ会

症例

免疫介在性血小板減少症(ITP)

数日前から血尿(ほぼ純粋な血液)をしており、重度の貧血で状態の悪いトイ・プードルが紹介されました。かかりつけの動物病院で治療を開始しましたが、治療効果が見られるよりも先に貧血が進んでしまい手に負えなくなったとのことです。身体検査をすると腹部の皮膚には皮下出血が多数見られました。急性貧血のためぐったりしており、酸素が身体中に届けられないため乳酸値は顕著に上昇していました。この場合早急に輸血を行う必要があります。輸血と同時にヒト免疫グロブリン(hIVIG)投与を行い、免疫抑制治療の強化をすることになりました。数日かけて血小板数は回復し、膀胱からの出血は治っていきました。膀胱内の血餅により細菌性膀胱炎が一時悪化しましたが、抗生剤治療により改善しています。今後は再発しないようにモニタリングしつつ、投薬の調節を行っていきます。

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