口腔内メラノーマに対するCUSA+RT(放射線照射)
12歳のチワワさんの下顎メラノーマ(悪性黒色腫)に対して、CTにより顎骨が温存できる可能性があるか?かかりつけ医から画像診断の依頼があった。CTでは骨への浸潤、リンパ節腫大、肺転移なども認められなかったことから、超音波乳化吸引装置(CUSA)を使用して、肉眼病変の可及的デバルキング術を実施した。同時に8グレイ(2×2cmツーブスを用いて一回照射時間約15min)を週に1回、全身麻酔下で合計4回照射=32グレイのオルソボルテージ照射を行った。照射部位において軽度の歯肉炎、粘膜炎などの放射線障害は認められるが、再発なく良好に経過している。幸いにも顎骨を温存できたことで採食への影響もなく、QOLを維持しながら生活ができているとのこと。CTで全身の評価を元にCUSA+RTのコンビネーションにより病変の局所制御が可能となり、顎骨切除術を回避できるのであれば、口腔内メラノーマに対する自骨温存のための一つの選択肢になると考えている。ちいさな体で頑張ってくれました。