ダクタリ会

症例

唾液腺癌 Salivary gland carcinoma

右の頬にできものができているので、詳しくCTで見て欲しいと主治医の先生から連絡がありました。CTでは唾液腺が腫大していることがわかりました。唾液腺腫瘍は10歳を超えての発生が多く、唾液腺腫瘍の中では悪性腫瘍の発生が多くなっています。唾液腺癌は局所浸潤性を示し、中等度に局所再発および転移能を有する悪性腫瘍であり、これらの腫瘍は頻繁に周辺の軟部組織に浸潤するため、完全切除が困難になることもあるようです。唾液腺癌には様々なタイプの増殖形態がありますが、組織学的な特徴と予後との関連は分かっていません。転移は支配リンパ節で最も多く発生しますが、遠隔臓器(特に肺)へ転移することもあります。犬の唾液腺腺癌の報告では、約22%で支配リンパ節へ、約8.5%で支配リンパ節と肺に転移しています。生存期間についても報告によってばらつきがあるのですが、24頭の犬の唾液腺癌では生存中央値は550日と報告されています。転移が存在する場合には生存期間が短くなると言われており、主治医のもと定期的な検診を行うことになりました。

症例カテゴリー

ページトップへ