ダクタリ会

症例

大腿骨頭骨端部骨折

猫の大腿骨の骨端には成長板がありそこから骨が成長します。 未成熟な動物ではこの成長板に骨折が起こりやすくなります。この成長板に骨折が生じると骨頸部からすべり落ちます。そのため、この骨折は”大腿骨頭すべり症”と呼ばれます。最も多いのは2歳以下の動物です。大腿骨骨折の一般的な原因は交通事故や転倒などの外傷です。また、メインクーンやノルウェージャン・フォレストなどの大型の純血種の猫には骨端形成不全と呼ばれる遺伝性疾患があり軽度の外傷あるいは非外傷性に骨端部に骨折を生じることがあります。この部位の骨折はできるだけ早く整復されることが推奨されます。一般的に骨折部位を安定させるために複数本のピンを刺入しますが(マルチプルワイアー法)、整復が出来ない場合にはTHR 人工股関節全置換術も選択肢となります。小型犬や猫ではFHNE 大腿骨頭頸部切除術と呼ばれる簡単な処置でまずまずの治療効果が得られます。一方、骨折の修復は80%で成功したと報告されています。手術を行わなかった場合、持続的な跛行や股関節に痛みが生じます。

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