ダクタリ会

症例

椎間板ヘルニア グレード5

レンチブルは椎間板ヘルニアの好発犬種です。背中の痛みから始まり、腰がふらつくようになり、次第に起立が困難になってきたとのことでかかりつけ医で入院していたそうです。入院下でステロイドを中心とした加療を数日間実施するも神経学的な悪化のスピードが顕著になっており、主治医の判断ですぐに精査をして、必要に応じて減圧術をして欲しいと連絡がありました。来院時にはすでに深部痛覚を消失しており、グレード5と診断しました。すぐにミエロCTとMRIを行いL2~L3の脊髄圧迫病変を確認しました。そのまま顕微鏡下で脊柱管内に逸脱した椎間板物質を摘除しました。術後数日は痛覚は改善しませんでした。手術から3日後より徐々に姿勢反応が改善し、4日目より深部痛覚の回復が確認され、5日目に随意運動が認められ、6日目に退院となりました。今後はリハビリテーションを行えば良好な機能回復が期待できます。幸い、かかりつけ医の判断が適切で、早期に機能回復が得られました。椎間板ヘルニアの好発犬種(ダックス、プードル、フレンチ、ペキニーズ、ビーグルなど)と生活している飼い主さんは、緊急時にすぐに脊髄減圧術を行える施設を探しておくと良いでしょう。

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