ダクタリ会

症例

横隔膜ヘルニア

さんの様子が突然おかしくなり呼吸が早く、苦しそうにしているとのことで救急で動物病院を受診されたそうです。胸部エックス線で横隔膜ヘルニアと診断されました。元々、保護猫さんだったようで詳細は不明だったとのこと。先天性、もしくは過去の外傷性横隔膜ヘルニアの可能性が高いと思われました。十分な酸素化により呼吸状態が小康を得たため、治療のため来院されました。開腹術により横隔膜へアプローチしたところ胃・肝臓・脾臓がヘルニア孔より完全に逸脱しており心膜との癒着も確認されました。臓器を腹腔内に戻した後に横隔膜を再建し術後はICU管理となりました。虚脱した肺が慢性拡張不全状態にあった場合、急に膨らむと再拡張性肺水腫を起こす事があるため換気の状態をしっかりとモニターする必要があります。幸いにも術後経過は順調で元気に回復してくれました。この保護猫さんの例からも、見た目が健康であっても一度、画像を含めた健康診断をしておくと安心です。

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