ダクタリ会

症例

橈骨固定術 #189

犬が骨折して動物病院でギプス固定をしていたそうです。変位の少ない亀裂骨折(ヒビ)程度のものならギプス固定で様子を見るのも良いでしょう。しかし、骨折の変位も顕著で、このままでは骨片同士に骨伝導が起こらず、ウォルフの法則の通り、うまく癒合しない可能性があります。これは環境によって骨は変化するという法則の事をいいます。
骨親和性のある素材※チタンインプラントは人の人工歯根と同じ材料であり、骨と金属が限りなく結合に近い状態”オッセオ・インテグレーションという現象”が起こります。また、チタンは金属アレルギーの心配もなく、言い換えれば骨と相性が良い素材です。トイ犬種の橈尺骨(単純)骨折固定は、ある程度トレーニングを積んだ外科医がいつものやり方でやれば、いつもの結果(癒合)が期待できます。例えて言うなら、子育てに似ているかもしれません。元々、細くて折れやすい骨をステンレス素材のような強固すぎる固定(子供で言う所の過保護)にした結果、いつまでも社会環境に適合せず、自立できない人間(骨なら痩せ細ってしまうストレスプロテクション現象)に育つかもしれません。※痩せたところで支えを外すとすぐに再骨折(挫折)します。
一方、親の支えがなく幼少期の子供をネグレクトすれば、子供はグレたり社会環境に適合できなくなります。これが骨なら簡単に変形癒合や癒合不全を起こすことになります。応力解析や材料力学の観点からも、外科医(親)の仕事は骨折した骨が自ら再生する(子供なら自立する)ようなバランスの取れた環境を提供することです。このような理由から当院では整形外科手術の内固定材料は必要な時に子供(骨)の支えになってくれる感染抵抗性(ばい菌・悪い不良を寄せつけない)のある骨親和性の高いチタン素材(バランスの取れた親友)以外は使用することはありません。

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