ダクタリ会

症例

橈骨固定術

タリアン・グレーハウンドの橈骨固定術の依頼がありました。この犬種の橈尺骨骨折はいかなる理由(尺骨がインタクト・亀裂骨折などでほとんどズレがない場合を除く)があってもギプスや創外固定を行うことは回避すべきであり、解剖学的に正しい整復位(歪みの少ない状態)でプレート法により強固な固定術(インプラントの剛性が強固すぎても問題が生じる)を行います。とりあえず骨がくっ付けば良いかな?と言った具合で、安易にギプス固定などを選択すると、後々、前腕の前屈・後屈・内反・外反変形などに悩まされます。そのため、再骨折やアライメント不良による手根関節の軟骨へのメカニカルな異常負荷にも繋がります。ひとたび、そのような事態(厄介な癒合不全も含む)になると治療も複雑になり余計な出費も嵩みます。一見すると単純な骨折と思われがちですが、実はとても奥が深いので議論の尽きないテーマとして小動物整形外科の領域ではよく話題になります。この患者さんでは材料力学の観点から生体親和性の高い(いいかえれば骨との相性の良い)2.4 Titanium Locking Plateを使用して強固な骨接合術を行なっています。

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