ダクタリ会

症例

特発性出血性心タンポナーゼ

9歳の柴犬が散歩中に突然倒れる事があるとのことでかかりつけを受診しました。幼少時よりてんかん発作を発症する事があるが、今回の様子はてんかんの時とは異なる様だとのことで精査を希望され来院しました。心音は微弱でマッフルを呈していました。また、腹水の貯留も確認されました。心臓超音波検査では心膜液の貯留が確認されました。心嚢水の除去を行なったところ、出血性の心嚢水でした。数日間は心嚢水の除去のみで一般状態は改善していました。しかし、再発すると虚脱するといった症状が確認されたため、再発性の心タンポナーゼを回避するために、胸腔鏡下で心膜切除術を実施しました。同時に中皮腫、血管肉腫、特発性との鑑別にCTによる精査も実施しております。心膜の病理検査では腫瘍性の変化はなく、著しく繊維化した心膜であり、特発性と診断されました。胸腔鏡下での手術であったため、数日間の入院で痛みも少なく良好に経過しています。

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