ダクタリ会

症例

犬の原発生肺癌(右)

最近、咳がひどくなってきたとのことで、主治医を受診されました。
エックス線では右葉に腫瘤が確認されました。

CT検査と手術のため紹介来院され、右の肺葉切除を行いました。

診断:肺腺癌

犬の肺原発の腫瘍は、比較的高齢の犬に発生します。単発の発生をする場合、右葉の発生が多いとされます
が、複数の肺葉内に多巣性の発生をすることも一般的で、特に気管支肺胞癌でこの傾向にあります。気管支肺
胞癌の場合肺の周辺部に発生することが多いですが、その他の肺原発腫瘍では肺門部に発生することが多いで
す。肺癌は、局所浸潤、およびリンパ行性に肺の他の部位や支配リンパ節へ転移をします。播種性に胸腔内に浸
潤することもあります。肺原発腫瘍の治療法として、多くは肺葉切除がされます。小型で単発の肺腫瘍では、肺葉
切除によって良好な予後が得られる場合があります。
本症例では、標本上、腫瘍は切除されており、脈管浸潤像や胸膜への浸潤も観察されませんでしたが、念のため
定期的なモニターを行います。

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