ダクタリ会

症例

犬の唾石と唾液腺嚢胞切除

の顔面が腫れてきたので、精密検査と必要に応じて手術をしてほしい。主治医からのリクエスト。CT検査と細胞診では唾液腺嚢胞と唾石の形成が疑われた。外科切除の後、この嚢胞の病理検査を行うと、耳下腺領域の嚢胞状腫瘤(6×3×1.5㎝)および右下顎腺(3×2.5×1.3㎝)に嚢胞形成が認められた。嚢胞壁の細胞は唾液腺導管に類似した形態を示し、炎症細胞浸潤や出血が確認された。リンパ節には液体の貯留による嚢胞状変化が観察されるが、構造は保たれている。明らかな腫瘍性の細胞は確認されていない。下顎腺において唾液腺導管の拡張が顕著であった。
唾石と唾液腺嚢胞の関連
唾石と唾液腺嚢胞は唾液腺導管の閉塞や唾液の停滞に基づく病態であり、以下のような関連性が疑われる。
・唾石による唾液管閉塞と嚢胞形成
唾石は唾液腺導管内にミネラルが沈着して形成され、唾液の流出を妨げる。唾液管が閉塞することで唾液が漏れ出し、周囲の組織内で嚢胞が形成される。(炭酸カルシウムであった。)
・炎症の増悪
唾石が原因で唾液管内で炎症が発生し、それが嚢胞形成を助長する。導管拡張との関連:病理所見で示された唾液腺導管の拡張は、唾液流出の障害によるものと考えらた。唾石の存在がこれを促進する一因となる可能性が考えられた。

経過観察
現段階で悪性所見は否定されているため、嚢胞の再発や症状の進行を定期的にモニタリングする。

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