ダクタリ会

症例

犬の特発性乳び胸

若い柴さんの呼吸がだんだん早くなり、また元気も無く、かかりつけ医を受診した所、乳糜胸水が溜まっており、原因の精査と治療目的で紹介来院されました。CTにより胸管造影を行い、手術の計画を検討しました。手術は腹部のリンパ節からインドシアニングリーンにより胸管造影を行い胸管を可視化しました。その後、右肋間開胸術により分岐した胸管を大動脈の背側で剥離し、数カ所でクリッピングしました。また、静水圧を下げるために必ず心膜切除術を併用します。術後1週間で乳糜の貯留が無くなったため、ドレインを抜去しました。この病気はまだまだ解明されていない部分が多くあり、今後とも研究が期待される分野です。しかし、ひとまずは標準的な治療により柴さんの呼吸が楽になったので一安心です。やはり柴犬には特発性乳糜(び)胸が多く認められるようです。

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