犬の軟部組織肉腫に対する腫瘍辺縁切除及び術後放射線療法
13歳のシベリアンハスキーが肘関節外側の腫瘍の治療目的に当院を紹介受診されました。
腫瘍は病理検査にて軟部組織肉腫と診断されており、転移所見は認められておりませんでした。
腫瘍は大型であり、根治的切除には断脚術が必要と考えられましたが、現在歩行状態も良好であり、
疼痛も認められておらず、ご家族は断脚はご希望されませんでした。
軟部組織肉腫は局所再発率が比較的高いため、腫瘍の辺縁切除のみでは再発が懸念されたため、
術後の放射線療法を計画した「計画的辺縁切除」を実施いたしました。
術後の経過は良好であり、抜糸後から放射線照射を実施いたしました。
照射終了後1ヶ月には脱毛や皮膚の発赤などの軽度の放射線障害が認められておりますが、
局所再発もなく非常に良好に経過しております。
犬の軟部組織肉腫において、拡大切除が困難な場合に、術後の放射線療法を計画した「計画的辺縁切除」は有用です。