ダクタリ会

症例

猫の尿管結石

さんが、かかりつけの病院で健康診断時に腎臓のエコー検査を実施したところ腎盂拡張と尿管結石が偶発的に発見されたとのこと。CTによる精査と外科的摘除を目的に当院を紹介受診しました。CTでは右の尿管内に閉塞した大型の結石を確認しました。ご家族と相談の上、顕微鏡下尿管切開術で結石を摘除しました。尿管結石の閉塞により尿管壁に炎症、肥厚などが確認されました。特に猫では炎症の結果、管腔臓器の狭窄が強く起こる事が知られています。結石の摘除後はプレドニゾロン により抗線維化、抗炎症作用を期待して狭窄の予防を行います。幸い術後速やかに腎盂拡張は消失しました。猫に多いシュウ酸カルシウム結石は溶解が期待できないので外科的介入が必要になることも少なくありません。また、人では激痛を伴うようですが、猫は体調が悪いと家の中で隠れたりするので、臨床症状に気づかないこともあり、病気の発見が難しい場合があります。今回は無症状のうちに結石を摘除できたため良好な予後が期待できます。定期的な健康診断には血液検査、尿検査に追加してX線、超音波などの画像診断を含むべきです。

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