ダクタリ会

症例

猫の異物誤食(ひも)

猫ちゃんが昨日から激しく吐いており、異物の誤飲の可能性がある。とのことでかかりつけの先生から診察依頼がありました。問診時の特記事項として、ひもで遊ぶのが大好きな猫ちゃんで、もしかしたら飲み込んでしまったかもしれないとのことです。腹部超音波検査では胃から十二指腸に連続する構造物が確認され、胃の中には液体が停滞する様子がみられました。ひもが腸で閉塞を起こしていると判断し、静脈内に輸液を行ったのち開腹手術を行いました。開腹すると”ひも状異物”は食道から始まり胃、十二指腸、空腸まで連続してつながっており、胃と小腸6箇所の切開により”ひも状異物”の摘出を行いました。一般的に”ひも状異物”の多くは胃で引っかかり、腸はそれに引っ張られるためアコーディオン状になります。閉塞の時間経過が長いと血行不良により小腸が壊死を起こすため、壊死部分の切除が必要になることもあります。今回の患者さんは、早めに超音波検査で異物が確認され、摘出を行ったので幸いにも小腸を温存することができました。猫は本能的にヘビのようなひも状の物を口にする習性があります。猫の居る部屋に”ひも状のもの”がないか?確認しておきましょう。若い猫は色々なものに興味があるので特に注意が必要です。

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