ダクタリ会

症例

猫の膝蓋骨内方脱臼

犬では膝蓋骨脱臼という疾患名はよく耳にするのではないかと思われます。実は猫にも起こることが知られています。特にアビシニアン、ソマリ、メインクーン、ペルシャなどの純血種では遺伝的にこの膝の疾患が生じることがあります。今回、猫さんで歩き方がおかしい、高いところにジャンプできないといった症状の患者さんがいるので、診察と必要に応じて手術をしてくださいと主治医の先生から連絡がありました。触診では膝蓋骨が非常にルーズになっており、容易に脱臼することが確認されました。この症状に対して、大腿骨滑車形成術、脛骨粗面転位、軟部組織の解放術、余剰関節包の再建術を行いました。これにより、膝関節の伸展屈曲のアライメントが正常化し、膝蓋骨が脱臼することなく矯正できました。膝蓋骨内方脱臼は犬では非常にポピュラーな疾患ですが、猫にも時折、遭遇するので注意が必要です。猫では膝蓋骨形成術が必要になること以外は、概ね犬と同じ治療法で予後は良好に経過すると思われます。

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