ダクタリ会

症例

猫の食道狭窄に対するバルーンダイレイション

さんが激しく嘔吐を繰り返した後、数日経ってからから食事を吐出するようになり、よだれを出して気持ち悪そうにしている。食欲も低下してきている。主治医の見解によると食道に異物か狭窄があるのではないか?とのことで内視鏡で精査をして欲しいとのことで来院しました。内視鏡検査では頸部食道〜胸部の入り口付近に著しい食道狭窄が確認されました。これでは食事が通りません。
この問題に対して、外科用イメージガイド下で内視鏡鉗子ポートより消化管拡張用の2.8mmのバルーンダイレーターを使用し、1週間おきに数回に分けて12mmの食道拡張術を行いました。4週目にようやく、炎症や狭窄が改善してきており、いなばのチュールなどのおやつが取れるようになってきたとのこと。毎週、全身麻酔をして行うことになりましたが、よく頑張ってくれました。この猫さんは長毛種であったため、おそらく毛玉を吐き出した際に胃酸を含んだ毛玉が食道に停滞し逆流性の食道炎を起こし、その後、食道狭窄が生じてしまったのではないか?と考えられました。また、猫ではドキシサイクリンによる食道狭窄も報告されています。猫は本能的にグルーミングを頻繁にする動物なので長毛の子は定期的に散髪をしたり、まめにブラッシングをすると毛球症の予防に繋がるかもしれません。また、自分ではちょっと心配という方は、気軽にカットの相談ができる猫の扱いに慣れたトリマーさんを探しておくと良いでしょう。また、ラキサトーンなどをホームセンターなどで購入して猫に与えてみるのも効果があるかもしれません。

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