ダクタリ会

症例

猫の骨盤骨折

猫さんが家から脱走してしまい、しばらく経って、足が動かなくなった状態で帰宅してきたとの事。すぐにかかりつけの病院を受診したところ、多発性の骨盤骨折と診断されました。どうやら外出中に落下事故か、輪禍にあってしまった様です。この状態で帰宅できたことは本当に奇跡的です。激痛と恐怖で生きた心地がしなかった事でしょう。直ちに鎮痛処置が行われ、その後、状態が安定したので、外科的に対応して欲しいと連絡があり、転院して来られました。無麻酔CTで骨盤の状態を確認すると、右の仙腸関節脱臼、左側の腸骨骨折、寛骨尾側から坐骨にかけて多発性の骨折が確認されました。この状態を放置しておくと、筋肉の収縮により徐々に骨盤が狭窄した状態で固定され、変形癒合することになります。それにより骨盤が狭窄するため、猫は慢性の便秘症に苦しむことになります。
仙腸関節固定は2.4 Locking Screwを2本で圧迫固定。腸骨は2.4 Titanium Locking Plateを骨面の形状に合わせてベンディングし、固定を行いました。しばらくは、入院下で静脈内輸液とマルチモダールで疼痛管理を行います。暖かいベッドに横になってもらい、a/dなどの栄養価の高い、美味しい食事をたっぷりと与えます。そして、徐々にリハビリを開始します。患者さんの1日も早い回復を祈るばかりです。

 

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