猫の鼻咽頭狭窄に対するバルーン拡張術(Balloon Dilation )は、非侵襲的な治療法としてよく利用される手法です。
鼻咽頭狭窄とは?鼻咽頭(鼻腔と咽頭の間の空間)が狭窄し、呼吸困難や慢性的なくしゃみ、鼻汁、いびき、喘鳴などを引き起こす疾患です。原因は先天性異常、慢性炎症(ウイルス性鼻気管炎や真菌感染症)、外傷、術後の瘢痕などが考えられます。
バルーン拡張術の概要は、バルーンカテーテルを用いて狭窄部を拡張し、通気を改善する治療法です。適応症例としては内科治療(抗炎症剤、抗生剤)で改善しない鼻咽頭狭窄です。エックス線透視装置を用いて、狭窄部位にバルーンを誘導し、拡張、一定時間(15分程度)保持します。※今回は7気圧で拡張
術後管理として炎症や痛みを抑えるため、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)やステロイドを使用することがあります。再狭窄の可能性があるため、定期的な症状のモニタリングが重要です。多くの猫では一時的な症状の改善が期待されますが、再狭窄のリスクがあるため、追加のバルーン拡張や他の外科的治療(ステント留置など)が必要になることもあります。バルーン拡張は低侵襲で治療効果も高いため、初期治療法として非常に有効です。