高齢猫が最近ふらつくとの主訴で受診しました。
MRI検査では両側の鼓室胞（中耳）に液体貯留があり、これが平衡感覚を障害している原因であると判断しました。

この猫はもともと慢性鼻炎を持っており、治療を行っていましたがなかなか改善していませんでした。慢性鼻炎の結果、鼻咽頭で狭窄を起こし、さらに治りづらくなるという状態と思われます。咽頭と耳は耳管でつながっているため、鼻の炎症は耳へと波及します。
この患者さんは鼻からバルーンカテーテルを挿入し拡張術を行うことで対処しました。一回の治療ではうまくいかないことが多いため、複数回の施術が必要となります。