ダクタリ会

症例

球状切削型肩関節固定術 #9

15歳のトイ・プードルさんが肩関節を脱臼して徒手整復を行ったが、再脱臼を繰り返しており、痛みもあるとのことで手術でなんとかならないか?と主治医の先生から連絡がありました。この手術は通常180分はかかります。高齢犬なので手術・麻酔時間をできるだけ短くするため一手間をかけます。軽い鎮静麻酔で肩関節のCTを撮影→DICOM情報→OsiriX→VR→サーフェスレンダリング→.SLT出力→Idea Maker→院内の3Dプリンターを用いてPLA樹脂で造形(5時間)→チタンプレートでリハーサル(インプラントのレイアウトとシミュレーション)→プレフォームされたプレートをオートクレーブ滅菌→寛骨リーマーを使った球状切削関節固定術を実施しました。あらかじめ骨モデルでリハーサルをしてあるので術中にプレートをベンディングする時間が不要となり、約60分の麻酔時間の短縮が可能でした。今や動物の医療ではCTや3D造形は獣医療の安全を支える技術の一つになっています。もちろん一番頑張ったのはちいさな体の患者さんです。

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