ダクタリ会

症例

環軸椎不安定症に対する環軸固定術

かかりつけの先生から、3歳のチワワが悲鳴をあげて、首を痛がり、歩けなくなっているので、すぐにMRIを撮って原因を調べて必要があれば手術をして欲しいと連絡がありました。すぐに来院され、神経学的な検査とCT・MRIを実施したところ、環椎と軸椎の不安定症が原因とわかりました。すぐに頸部にコルセットを着用し、状態を安定化しました。翌日には小康状態を得ていたので、環軸固定術を行いました。
手術は1.5mmのチタンスクリューを第2頚椎に挿入し、亜脱臼している軸椎を腹側に牽引します。その後、関節面を超音波骨メスにより軟骨を掻爬し、骨面を露出、上腕骨より海綿骨を採取し、関節面に移植します。その後、経関節にポジティブチタンピンを2本、環椎に2本刺入します。
これらをチタンメッシュによりインプラントを一括セルフロック状態とさせます。さらにごく少量の骨セメントでインプラントを固定します。
このチタンメッシュの役割として、セメントの重合熱から骨のオーバーヒートから守る。感染のリスクのあるセメントの消費量を少なくする。関節固定の強度を担保する。また、ステンレスを使わない理由としては、金属アーチファクトが少ないので、術後にMRIの撮影が可能。ステンレスより熱伝導率が悪いため、セメントの重合熱を骨に伝えにくいといったメリットがあると考えています。
術後は一切の疼痛が消失し、徐々に起立できるようになってきています。

 

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