ダクタリ会

症例

異物による唾液腺の穿孔

犬の左頸部が急激に腫脹し、検査の結果、頸部に膿が溜まっているとのことで、かかりつけ医で2回の切開手術を受けたが、唾液と膿貯留が再発したので、かかりつけ医からなんとかして欲しいとのことで来院しました。液体の性状から唾液腺の破裂のようです。皮下に漏れた硬結部位を切除し、慎重に深部に到達しました。唾液腺の周囲をくまなく探索したところ、なんと、木の枝が唾液腺に刺さっており、唾液腺の破綻の原因と考えられました。よく話を聞いてみると、頸部が腫れる前に、散歩中に何かをかじっているのを目撃したとのことでした。尖った木の枝が口腔内から刺さり、皮下へ到達、唾液腺を穿孔した可能性が高いと考えられました。この症例は術前にCT検査をしていれば、術前に”木の枝”を発見できたかもしれません。幸い、術後は唾液がたまらなくなり、快適に過ごしていると主治医より連絡がありました。個人的に異物による唾液腺の穿孔は初めての経験でした。犬は言葉を話さないので、ご家族の稟告には必ず、ヒントがあると。。。と改めて、自分自身を戒めたのです。

 

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