ダクタリ会

症例

神経根症を呈した頸部椎間板ヘルニア

12歳のワンコが右前肢に違和感(しびれの様な感覚?なんとなく動作がおかしい?)があり、かかりつけ医を受診したそうです。受診時にはその症状は消失していたが、数日後に再度負重が弱くなりヘルニアの可能性があるとのことで消炎鎮痛剤を処方との事。脊椎および脊髄の精査のため紹介来院しました。CTではC5~C6の右側の神経根領域に逸脱した椎間板物質が確認されました。右前肢を支配する第6頸髄の神経根の圧迫病変であり、今回の神経症状と一致します。MRIでは頸髄に圧迫病変は確認されませんでした。鎮痛剤の反応も弱かったので、ラテラルアプローチにより神経根に到達しました。深い部位に病巣があるため、ゲルピー型開創器で筋肉に緊張をかけながら慎重に術野に到達します。幸い骨を切削する事なくヘルニア物質を除去、神経根の除圧術を行いました。これで痛み(しびれ)から解放されることでしょう。犬は自らの不調を言葉にして伝えられないので飼い主さんの注意深い観察が早期発見につながったと考えられました。

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