ダクタリ会

症例

肝膿瘍・細菌性腹膜炎による敗血症

高齢のミニチュアダックスフンドが肝臓腫瘤の精査のため来院しました。
肝臓腫瘤というと高齢犬で多いのは肝細胞癌(または腺腫)という腫瘍であり、たまたま健康診断で見つかることも多いです。
通常これらの腫瘍は破裂しない限りは劇的な症状の悪化は起こしにくいのですが、この患者さんは数日前からかなり具合が悪くなっており、何か別の問題が起きていると考えられました。

エコー検査では肝臓腫瘤と肝臓の外にガスがみられ、針生検の結果、肝膿瘍および一部破裂による細菌性腹膜炎と診断しました。
肝膿瘍とは肝臓で何らかの細菌感染により膿を作ってしまう病気であり、菌が全身に広がれば命に関わる病気です。
この場合早急な治療が必要であり、注射により安定化させた後、当日中に外科手術を行いました。
術後敗血症により状態は一時悪化しましたが、1週間の入院治療で状態は改善し、退院時には食欲も今まで通りに戻り帰宅することができました。

高齢動物は免疫力も低下しており治療の甲斐なく亡くなってしまうこともありますが、この子は劇的に改善してくれました。
治療に携わったスタッフたちは大変嬉しく思っています。

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