ダクタリ会

症例

肝葉捻転

型犬が突然、嘔吐、元気消失、食欲不振で主治医を受診しました。血液検査で重度の肝酵素の上昇(4倍以上)とCRPの上昇が確認されました。腹部超音波検査において肝臓に腫瘤病変が確認されるとのこと。精査と治療のため来院されました。来院時はほとんど歩行することができない状態でした。CT検査を実施すると肝臓の一部が無血流性に腫大しており、基部で捻転していることが示唆されました。直ちに開腹すると内側左葉が180°捻転していました。基部にTA30Vを使用し、ステープリングで一括切除しました。ポイントは捻転を解除しないで切除することです。肝葉捻転は犬では稀な病気です。過去の自験例では急性発症、肝酵素の顕著な上昇、CRPの上昇が確認されています。CTによる画像診断は非常に重要な役割をしています。かかりつけ医の初動が良く速やかにCT検査へ進むことができたので良好な予後が期待されます。

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