ダクタリ会

症例

股関節脱臼〜猫〜

20歳の猫さんの股関節脱臼に対して徒手による非観血的整復術に成功したが、しばらくして再脱臼したので外科的に対応して欲しいと動物病院から依頼がありました。猫の20歳は人間では96歳に相当します。また、年齢相応の慢性腎臓病を併発しているようです。基本的には犬と同じアプローチで対応します。まず、寛骨臼に2.5ビットで骨孔形成、2.4トグルピンとウルトラブレードにより作成したインプラントを骨孔に投下、骨盤腔内で反転させアンカーとする。大腿骨に作成したトンネル内にスーチャーをリレーさせ、第3転子付近でエンドボタンと締結。関節包を可及的に再建し終了とする。トグルピン変法は大腿骨靭帯を再建するシンプルかつ理想的な方法です。また、自骨を温存するので脚短縮もなく、除痛効果も素晴らしく、早期の機能回復が得られます。さらに大腿骨頭頸部切除関節形成術:FHNEとは異なり積極的なリハビリなども不要です。20歳という超高齢猫さんでしたが、よく頑張ってくれました。これからも長生きしてもらいたいと思います。

症例カテゴリー

ページトップへ