ダクタリ会

症例

股関節脱臼に対するトグルロッド整復術 #64

12歳のトイプードルさんは、右股関節背側前方脱臼および軽度の股関節形成不全と診断されました。患者さんは基礎疾患として心臓弁膜症も抱えており、通常であれば大腿骨頭頸部切除術(FHNE)も治療方法の選択肢となりますが、この術式では術後の機能回復に積極的なリハビリテーションが必要です。そこで今回は、術後のストレスが少なく、早期の安定化が見込めるトグルロッド法が適応であると判断し、整復術を実施しました。

また、術後8〜12週間の間は、以下の3つの原則に基づく厳格な管理が必要です:
ペットはカーペットの上で、必ず飼い主の直接監視のもと室内で生活します。部屋の中をゆっくり歩くのは許容されますが、継続的であってはいけません。走る・飛び跳ねる・じゃれるなどの行為は絶対に禁止です。ペットを屋外で排泄させる際には、常にリードをつけておく必要があります。滑りやすい床や不整地を歩く必要がある場合には、「お腹に巻くバンド」を使用してください。これは体を支えるためではなく、安全のために転倒などを防止する目的で使用します。※ペットをリードなしで外に出したり、散歩をすることは禁止です。飼い主の直接監視がない場合は、ペットをケージに入れてください。

a. 他の動物と遊ばせることは禁止です。他のペットがいる場合は、完全に分離しておく必要があります。

b. 食事量は、体重増加を防ぐために半分に減らす必要があります。多くの犬は、食事量を半分にしても現状の体重を維持します。水分摂取は通常通りで構いません。

c. 術後最初の2週間は、傷口の監視が必要です。舐めたり噛んだりすると、感染や縫合の緩みを引き起こすため、それを防止する措置を講じる必要があります。

d. 骨の治癒には最低6〜8週間かかります。

e. 回復中のペットは元気になったように見えることが多く、その結果、手術をした足を過信して無理な動きや怪我をしやすくなります。骨が完全に癒えるまでは、拘束のルールを厳守する必要があります。

f. ケージ内でジャンプや暴れる行動が見られた場合、それは過剰な活動です。落ち着かせるために鎮静剤が必要な場合があります。

g. 回復中に痛みや異常な鳴き声(泣く、鋭く鳴く)などが見られた場合は、すぐ病院に連絡してください。

h. ペットは、少なくとも現在の機能レベルを維持、または改善していくことが理想です。回復の途中で機能が低下した場合は、速やかに獣医に相談してください。

i. 手術部位に悪影響がある行動が見られた場合は、すぐに獣医に連絡することが重要です。早期に対応することで、より良い回復が期待できます。

j. 拘束中にケガや癒合遅延が起こると、回復期間がさらに長くなります。

k. 再診や術後の経過観察のために通院が必要です。術後4週と8週でX線検査を行い、骨の癒合状態を確認します。術後16週(4か月)には最終的な状態を確認するためのエックス線検査を行います。

 

症例カテゴリー

ページトップへ