10歳のテリア犬が股関節を脱臼し、観血的な方法で脱臼の整復をしていたが、数日で再脱臼したため、手術でなんとか出来ないか？と主治医の先生より連絡がありました。この患者さんでは左側の大腿骨頭が背側、前方に脱臼しています。
この問題を解決するためには、人工靭帯による大腿骨頭靭帯の再建術（トグルピン法）などが一般的です。エックス線では中程度の股関節形成不全もあり、わずかにDJDも観察されます。しかしながら、患者さんはこの状態で歩行状態に関する臨床症状は認められなかったため、まずは断裂した大腿骨頭靭帯を再建し、経過観察を行うことになりました。OAによる痛みや跛行などが生じた場合はトータルヒップか最終的にFHNEを行うことになります。