ダクタリ会

症例

胃拡張捻転症候群(GDV)

大型犬の飼い主さんから「食後からお腹が張ってきて落ち着きがなく徘徊し、吐きたそうにしているが何も出ない」との連絡があり、夜間救急を受診することとなりました。
来院時は自力起立は困難であり呼吸促迫、血圧は保っていたものの頻脈(HR 210bpm)、乳酸値上昇(6.1mmol/L)などショックの状態でした。
X線検査で胃捻転を確認し胃の減圧処置および輸液ボーラス投与を行い安定化させ、状態安定後に外科手術となりました。

胃拡張捻転症候群は食事の際や気持ち悪さに伴う呑気が原因の一つとされており、この患者さんも食後2時間で発症しています。
飼い主さんがこの病気についての知識があったことから、迅速に判断してご連絡いただくことができました。
胃内のガスがさらに貯留し、捻転している時間が長引けば内臓の梗塞壊死血管損傷による腹腔内出血のリスクが高まります。
かつては高い死亡率の病気でしたが、現在では早期発見手術により生存率は80~90%とされています。

大型犬の飼い主さんはぜひこの病気についての知識を持っていただき、可能であれば若齢時、避妊去勢手術と一緒に予防的胃固定術を行うことが推奨されます。

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