ダクタリ会

症例

胆嚢破裂に対する胆嚢摘出術〜空腸栄養カテーテル設置

汁は肝臓の肝細胞で作られ、肝管→胆嚢管→胆嚢に溜められ→胆嚢管→総胆管→十二指腸乳頭→十二指腸(オッジ括約筋:十二指腸乳頭の開口部で調整)→回腸で再吸収され→肝臓に戻ります。(腸肝循環)犬には胆嚢粘液嚢腫という病気があります。胆嚢の内部にムチンという粘液物質が溜まり、総胆管を閉塞したり、胆嚢に破裂を起こさせることがあります。数日前から具合が悪く、超音波検査で胆嚢に異常があるワンコの精査と治療をして欲しいと主治医から連絡がありました。CTで確認すると胆汁の漏えいが確認されました。局所的な腹膜炎も生じているようです。救命のためには、胆嚢粘液嚢腫によって痛んでしまった胆嚢を摘出することが最善の治療となります。十二指腸乳頭から逆行性に総胆管〜胆嚢管の洗浄を行ったのち胆嚢を剥離、胆嚢頸部でクリップにより切離しました。空腸栄養カテーテルを設置し積極的に術後の栄養管理を行います。幸い、このワンコは主治医の判断で素早い検査と治療に介入できました。胆嚢は沈黙の臓器と言われているので特に小型犬は超音波、血液検査(副腎、甲状腺の検査のホルモン検査を含む)胆嚢検診を行っておきましょう。

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