ダクタリ会

症例

胆嚢破裂

11歳のワンコが嘔吐、食欲低下とのことでかかりつけ医を受診されました。超音波で腹水、胆嚢の不整、粘液嚢腫破裂が疑われました。当センターで開腹術を行うと大網、肝臓、胆嚢が激しく癒着しておりました。癒着を慎重に剥がしながら粘液嚢腫を摘出しました。胆嚢側から十二指腸まで総胆管洗浄を行い、通過障害のないことを確認しました。胆嚢頸部よりクリップ結紮止血、縫合により切除を行いました。吸引式ドレインを設置し定法に従い閉腹しました。術後は多臓器不全、DICなどに留意しながら集中的な治療が必要となります。この様なことから胆嚢粘液嚢腫(GBM)が見つかった場合は、破裂に備えて予防的に摘出した方が予後は良好と考えます。1オンスの予防は1ポンドの治療に勝る(An ounce of prevention is worth a pound of cure)」1736年当時、ベンジャミン・フランクリンはフィラデルフィアで火災予防の重要性を説く文書の中でこの言葉を書きました。当時頻発していた火災に対し、「予防に少し投資するだけで、後の莫大な損害を防げる」という意味を強調したものです。みずからの不調を声にできない動物にとって、獣医療もこのフランクリンの言葉が当てはまると考えています。

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