ダクタリ会

症例

脊髄脂肪腫に脊髄空洞症の併発

レブルさんが後肢のふらつきの原因を突き止めて欲しいとのことで来院されました。主治医の所見では股関節形成不全が疑われるとのことでした。一方で問診時特記事項として、尿失禁、便失禁もあるようです。神経疾患の存在を疑いました。MRI検査を行うと腰髄から胸髄にかけて広範囲に脊髄空洞症と脊髄脂肪腫が確認されました。この病気は犬においてほとんど報告がありません。ヒトの小児科において同様の疾患が報告されています。犬においては稀な先天性の脊髄奇形です。また獣医学領域において過去に治療の実績は見当たりません。幸い、今のところ背中の痛みもなく元気に走ったりできるので、プレドニゾロンによる内科治療を行いつつ、泌尿器系のケアを行う予定です。一見、整形外科疾患の様に見えても実は神経疾患が隠れていることがあるので注意が必要です。

参考文献:https://www.shouman.jp/disease/details/11_01_003/

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