ダクタリ会

症例

腹腔内出血

8歳の大型犬がフィラリアの予防薬とワクチン接種のため、かかりつけ医を受診しました。そういえば最近、なんとなく疲れやすいように感じる。
しかし、元気食欲も普通にある。とのこと、主治医の先生はフィラリアの検査と一緒に血液検査を行いました。
軽度の貧血(HCT30%)があり、血小板も低下している。血液塗抹では再生像もある。
歯茎白い。すぐさま腹部の超音波検査をして”腹腔内液体貯留と腹腔内腫瘤を確認”
この時点で、主治医から電話があり腹腔内からの出血を止めてくれないか?今すぐに患者さんを向かわせるとのこと。

エコーでは脾臓と肝臓にMASSを確認。
患者さんには献血のできるワンちゃんのお友達に声をかけていただき、合計600mlの全血を確保しました。
開腹すると脾臓と肝臓に腫瘤病変があり破裂、出血していました。

術後はDICに備えて輸血を実施。
幸い2日目に食欲も発現し、5日目で血小板も正常に回復、退院となりました。

この時期、フィラリアの検査と一緒に外注で血液検査をしましょう。というのが一般的であり、
また、大量に腹腔内出血して低血圧、貧血で救急で来院されることがほとんどなのですが、すぐさま院内で検査をし、
異常に気付いた、今回の主治医の素早い判断に尽きると思います。

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