ダクタリ会

症例

腹腔鏡アシスト予防的胃固定術 LAG for GDV

捻転・拡張症候群(Gastric Dilatation-Volvulus:GDV)は大型犬・超大型犬に起こりやすい致死率の高い疾患であることはよく知られています。GDV発症のリスクの高い、超大型犬のパピーに腹腔鏡アシスト予防的胃固定術(Laparoscopic Assisted Gastropexy:LAG)で対応して欲しいと主治医より連絡がありました。約6000頭を対象とした大規模調査において、このGDVの発症リスクは胸の深い大型犬・超大型犬で発症のリスクが高くなると報告されており、純血種ではグレートデン37%、アイリッシュセッター25%、スタンダードプードル25%、ワイマラナー19%と非常に高い罹患率が示されています。別の聞き取り調査では過去にGDVに罹患し、愛犬を失った経験のある家族が次に同じ犬種やリスクのある犬種と生活を始めるにあたって、”GDVの予防のための胃固定術を強く希望する”といった傾向があるようです。また、このLAGは予防的な趣旨で行われるため、去勢手術や不妊手術の際に行われることが標準的になっています。この患者さんはメスであり、同時に腹腔鏡下卵巣摘出術(Laparoscopic Ovariectomy:LOVE):Keyhole Spayも実施しました。すべての手技は腹腔鏡下(一部アシスト)で行われるため入院の必要はなく基本的に日帰りの手術となります。(※写真では5つのポートのようにも見えますがひとつは臍ヘルニアのための皮膚切開部位です。通常はカメラポート、鉗子ポート、エネルギーデバイスポート、LAGとLOVEでは4カ所です。)米国では大型犬・超大型犬の飼育頭数が多いため、”LOVE&LAG”が日常的に行われているようです。“Minimally invasive Maximum recovery” 

症例カテゴリー

ページトップへ