ダクタリ会

症例

膀胱破裂〜尿性腹膜炎

腹を強打したあとから、徐々に具合が悪くなって来ているとのことで高齢のワンコがかかりつけ医を受診されたそうです。血液検査で腎数値が顕著に上昇し、腹部エコーで腹水が確認されたとの事。原因の精査と治療の希望で来院されました。来院時には意識レベルの低下が進行していました。腹水の検査と無麻酔CTで膀胱破裂〜尿性腹膜炎と診断されました。すぐに疼痛管理と腹膜ドレナージを行い、腹膜透析を約36時間実施した所、腎数値は正常に改善し意識レベルの上昇が確認されました。開腹後、破裂した膀胱の再建術を行いました。高齢のワンコでしたが、幸いにも術後の経過は良好で数日で退院することができました。アクシデントの直後は問題が生じていなくても、時間の経過とともに症状が表面化し、目が離せない状態になった患者さんです。膀胱破裂は輪禍などの高エネルギー外傷に続発し、骨盤骨折や尿道の断裂を伴っていることが一般的であり、今回の患者さんは稀なアクシデントであったと思われます。

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